大型ハリケーン「マシュー」が直撃したカリブ海の島国ハイチの死者数について、ロイター通信は7日、少なくとも842人に上ると報じた。ハイチ当局の情報を元に、独自に集計したという。ハイチでは100万人以上が被災し、コレラも発生。ハイチを襲ったハリケーンとしては過去50年で最悪の被害だという。
国連によると、洪水が引いた後も衛生状態が悪く、南西部の病院でコレラの発生が3件、確認されたという。国際赤十字はハイチに690万ドルの医療支援を出すという。ハイチは6年前の地震でも20万人以上が死亡している。
マシューは、勢力を弱めながら米フロリダ州付近を通過。各地で洪水が起きており、米CNNは、ハリケーンの影響で米国でも4人が死亡したと伝えた。木の下敷きになったり、救急医療を受けられなかったりしたためという。
オバマ米大統領は7日、「これはまだ非常に危険なハリケーンだ」と警戒を呼びかけており、フロリダ州では100万世帯が停電している。同州にあるディズニー・ワールドなどの観光施設や空港が閉鎖され、3千便以上の航空便が欠航になった。
米東部時間7日午後7時(日本時間8日午前8時)時点の中心気圧は947ヘクトパスカル。強さは当初、5段階のうち上から2番目の「カテゴリー4」だったが、「2」に弱まった。(ロサンゼルス=平山亜理)