柏崎刈羽原発の再稼働への賛否と投票先
最近の地方選挙では珍しく、今回の新潟県知事選は争点が明確だった。柏崎刈羽原発の再稼働を認めるか、認めないか。そのことが選挙結果に直結した。
新潟知事に再稼働慎重派の米山氏 自公系候補らを破る
朝日新聞社は16日、県内90投票所で出口調査を実施し、4812人から有効回答を得た。それによると、投票の際に最も重視した政策は①原発への対応(29%)②景気・雇用(24%)③医療・福祉(18%)④地域の活性化(17%)⑤子育て支援(8%)の順。
最も多かった「原発への対応」を選んだ人の投票先は米山隆一氏に84%、森民夫氏に15%と明瞭な差がついた。「景気・雇用」「地域の活性化」を選んだ人はいずれもダブルスコアで森氏が米山氏を上回った。
よりストレートに柏崎刈羽原発の再稼働への賛否を聞くと、反対64%、賛成28%。反対と答えた人の64%が米山氏、34%が森氏に投票。この差が決定的だった。賛成の人は72%が森氏に、24%が米山氏に票を投じた。
世代別に見ると、男性の20~40代で森氏が強かった一方、女性の40~60代で米山氏が大きくリード。「経済」を重視する男性の働き盛り世代と「生活」を重視する中高年女性の意識の違いがくっきり浮かんだ。
自民支持層の73%が森氏に投票したが、25%が米山氏に流れた。無党派層は米山氏に63%で森氏の34%を引き離した。民進支持層は85%が米山氏に投票し、森氏はわずか14%。民進党が「自主投票」を決めたことは、支持層の意識とかけ離れていたといえる。(峰久和哲)