拡張現実(AR)を使ったコンテンツのイメージ。いまの街の風景に60年前の通天閣を重ねている=日立製作所提供
28日に再建から60周年を迎える通天閣(大阪市浪速区)のいまむかしを、仮想現実(VR)などで楽しもう――。通天閣の広告スポンサー・日立製作所は25日、60年間の変遷を紹介するアプリをつくり、12月から配信すると発表した。
アプリはスマートフォンなど向けで、日立や、運営会社の通天閣観光のホームページなどから無料でダウンロードできる。過去の通天閣や周辺の新世界の街並みの映像をいまの風景に重ねて見られる拡張現実(AR)のコンテンツを12月10日から配信。過去の出来事を題材にした物語を360度映像でみられるVR用コンテンツは来年1月10日から配信の予定だ。
開業記念日の28日は、大人は通常700円かかる入場料を一律210(ツーテン)円にするという。
いまの通天閣は2代目で、高さ108メートル。1956年10月28日に営業を始めた。日立は翌57年7月から広告を出して以来、ネオン管とLEDで街を彩る。日立は当時、テレビの販売を始めたばかり。松下電器産業(現パナソニック)などのライバルがひしめく関西市場を攻める意気込みを通天閣の広告に込めたという。茨城県を地盤とする日立の文字が大阪のシンボルに輝く姿を見て、パナソニック創業者の松下幸之助氏が悔しがったと伝えられている。(伊沢友之)