旧ソ連のモルドバで30日、20年ぶりとなる直接選挙による大統領選(任期4年)が行われた。開票の結果、親ロシア的な政策を主張する社会党のイーゴリ・ドドン氏が首位となったが過半数には及ばず、11月13日に上位2候補による決選投票が行われる見通しとなった。
現地からの報道によると開票率99・1%の段階で、ドドン氏の得票率は48・4%。2位は親欧米路線の政党「行動と連帯」のマイア・サンドゥ氏で38・3%。
モルドバは2014年に欧州連合(EU)との間で連合協定を結ぶなど、近年は欧州との統合を目指してきた。しかし昨年、国内の主力銀行3行から10億ドル(約1050億円)が消える事件が起きたことなどから、反政府運動が激化。最高裁は今年3月、01年以降議会で行われていた大統領選を直接選挙に戻す決定をした。ドドン氏は、EUとの連合協定の見直しなどを訴えている。(モスクワ=駒木明義)