東京都内で昨年10月に起きた大規模停電で、東京電力は16日、事故原因についての最終報告を発表した。停電を引き起こした埼玉県新座市での地下ケーブル火災は、経年劣化でケーブル内に隙間ができたことなどによる漏電が原因とほぼ断定した。
都内で一時58万戸停電 東電「原因はケーブルの出火」
東電によると、火元は延長のためケーブル同士をつなぐ「接続部」。内部に生じた隙間が、熱による伸縮などで拡大。この隙間に、絶縁のためケーブル内を満たしている油中の成分がたまり、部分放電が起きたとみられるという。部分放電が繰り返されると漏電しやすくなる。ケーブルが設置されたのは約35年前で、東電は長時間かけて劣化が進み、漏電して火花が生じ、出火したとみている。
対策として、今回と同種のケーブルにセンサーをつけ、部分放電を常に測定するなど監視を強化。火災の起きない新型ケーブルに取り換える対策も進める。今後30年以内に完了させるという。
停電は昨年10月12日、中央省庁なども含む約58万6千戸で発生。1時間ほどで復旧したが、交通が乱れるなどの影響が出た。(高浜行人)