9日、ニューヨーク市内のホテルで、敗北を宣言するクリントン前米国務長官=AFP時事
米大統領選で敗れたヒラリー・クリントン氏(69)。その敗北の弁には、女性たちへの熱いメッセージが込められていました。日本の女性たちは、今回の戦いを見て、何を感じたのでしょうか。
「女性であることが壁となったのかもしれない」。神奈川県の弁護士、太田啓子さん(40)はクリントン氏の敗北に落胆した。
政治や政策を自由に話し合う「怒れる女子会」の呼びかけ人だ。社会に理不尽さを感じても怒ることをためらう女性は少なくない。「周りに合わせることが良しとされる。怒れば『ヒステリー』と批判される。そうすると『怒らない方が得』と感じ、現状の社会への適応に一生懸命になってしまいがちだ」。ガラスの天井を破るには「一人一人が『おかしい』と声をあげるしかない」。そう思っている。
高知県四万十町の「十和(とおわ)おかみさん市」社長、居長原(いちょうはら)信子さん(69)は地元農家の女性ら約140人でつくるグループを母体に農産物などを販売している。「夫の理解があるから家の外で活動できるのね」。同世代の女性から時折こう言われる。女性の社会進出について「世代によって、まだ理解が不十分と感じることもある」。クリントン氏と同じ年齢だ。「私たちも体が元気なうちは頑張りますよ」
お茶の水女子大大学院生の相川頌子(しょうこ)さん(32)は大学卒業後、総合職の仕事に就いたが、年齢が上がると女性は減り、管理職はほとんどが男性だった。入社3年で結婚。「家事は妻の役目」と思い、仕事の両立に悩んだ。入社4年で退社し、大学院で「男女の家事分担」を研究する。
「理想は、性別に関係なく、努…