80後(1980年代生まれ)の楊■さん(■は女へんに青)は最近、「自分へのご褒美」に生後3ヶ月のトイプードルを購入。「おにぎり」と名付け、彼女にとって新しい家族と生活のパートナーになった。中国新聞網が報じた。
楊さんは、湖南省長沙市で不動産販売業に従事しており、食事を取る時間もないほど忙しい日も多い生活を送っている。そんな忙しい日々のなか、家に帰ってから少しでも楽しく過ごしたいと、イヌを飼いたいと思うようになった。
現代都市生活のリズムは速く、若い世代、特に、都市に住む若い女性は、仕事や生活、家庭などからもたらされるプレッシャーが重なり、ストレスが増大している。ある調査によると、中国人女性が直面している職場と家庭からもたらされる2方面のストレスとコントロール不可能なストレスは男性の約2倍となっている。
ネズミを捕まえてくれるネコ、家や庭の番人になってくれるイヌはその昔から、中国の農村で重宝される存在だった。しかし今では、これらの心を癒してくれるペットが中国の都市に住む若い女性の心を鷲掴みにし、ネコと遊んだり、イヌと散歩したりするというのが、やさしく繊細な女性の新たな「ストレス解消術」となっている。
こうした現象を受けて、ペット市場が1000億元(1元は約16.65円)レベルにまで拡大するようになっている。中国リサーチ企業・艾媒咨詢(iiMedia Research)の統計によると、2015年から2019年までに、中国のペット市場の規模は2倍に拡大し、複合年間成長率 (CAGR) は20%となっている。
湖南省ペット診療業界協会の屠迪秘書長は、「ペットは単なる動物ではなく、人の心を癒してくれる存在。家庭や飼い主にとっての意義は『財産』というだけでなく、心の拠り所となっている。仕事のストレスが溜まっている時でも、気分が落ち込んでいる時でも、ペットと遊ぶと、女性たちはプラスのエネルギーを得ることができる」との見方を示す。
李琪さん(27)は、イヌを飼ったのがきっかけで、同じくイヌ好きな彼氏に出会い、二人で一緒に、シベリアンハスキー、ゴールデンレトリバー、サモエドの3匹を飼っている。「仕事が終わって帰宅し、呼ぶとすぐにイヌたちが駆け寄って来て甘えてくれる。その瞬間、一日の疲れが吹っ飛ぶ」と李さん。