他人のスマートフォンを遠隔操作できるソフトをめぐり、全国の15道府県警が一斉摘発に乗り出したことがわかった。うち富山、島根、静岡の3県警と京都府警は25日、ソフトを買って他人のスマホにインストールした疑いなどで、容疑者の男女計4人を逮捕または書類送検したと発表した。
富山県警はソフトを知人女性のスマホに無断でインストールしたとして、不正指令電磁的記録供用の疑いで、金沢大学助教の尾崎聡(さとる)容疑者(55)=金沢市太陽が丘=を逮捕した。「女性の行動を知りたかった」と容疑を認めているという。女性は捜査で被害を初めて知ったという。島根県警も同様の容疑で広島市の無職の女(33)を逮捕。静岡県警は静岡市の会社役員の男(56)を書類送検した。
京都府警によると、このソフトは横浜市の会社が販売する「Androidアナライザー」。スマホの位置情報や通話履歴を確認でき、メールやLINEのやりとりも閲覧できる。ソフトをダウンロードしたパソコンにスマホをケーブルで接続し、ソフトを入れて遠隔操作する仕組みだ。
府警はサイバーパトロールでソフト販売を発見。1本約1万~6万円で、2014年8月以降、約1200本が販売されており、不正指令電磁的記録作成容疑での摘発を視野に調べている。今月16日にはソフトを買った容疑で愛知県の会社員の男(45)を逮捕した。
今年9月以降、15道府県警が共同で捜査。これまでに計13人を逮捕または書類送検したという。