日産自動車追浜工場の構内で、完成車を引っ張って専用埠頭(ふとう)まで運ぶ自動運転の電気自動車(一番右)=神奈川県横須賀市、青山直篤撮影
日産自動車は、主力の追浜工場(神奈川県横須賀市)で、完成した車を自動運転の電気自動車(EV)で専用埠頭(ふとう)まで運ぶしくみを導入し、報道陣に5日公開した。2019年をめどに本格運用して1日1千台規模を運べるようにし、生産や出荷の効率化を図る。
工場から国内外に出荷する専用埠頭まで片道1・4キロを、EV「リーフ」をベースにした無人の自動運転車が走り、後ろにつないだ台車に載せた3台の車を引っ張って運んだ。一般車両が割り込むといったん止まったり、なめらかにカーブを曲がったりして、埠頭近くの指定場所で停車した。
カメラやレーザーで構内の白線や縁石を認識しながら自走する。これまでは1台ずつ人が運転して運んできたが、15年から自動運転車による実験を重ねてきた。当面は2台の自動運転車を投入し、19年をめどに7台まで拡充する。
国内外の他工場への導入も検討している。吉村東彦(はるひこ)常務執行役員は「将来は、完成車自らが自動運転で出荷エリアまで走るしくみを検討したい」と話した。(青山直篤)