1回目の爆発現場から100メートルほど離れたビルの窓ガラスの一部が吹き飛んでいた=11日、イスタンブール、渡辺丘撮影
トルコの最大都市イスタンブール中心部で10日夜(日本時間11日早朝)に起きた連続爆破テロの死者は44人、負傷者は155人になった。少数民族クルド人の武装組織「クルディスタン解放のタカ」(TAK)が犯行声明を出し、治安当局は12日、クルド系政党・人民民主主義党に対する一斉捜査を全土で行い、200人以上を拘束。目撃者らが朝日新聞の取材に恐怖の瞬間を証言した。
イスタンブールで爆発38人死亡 関与の疑い13人拘束
1回目の爆発は10日午後10時20分ごろ、1903年創立の人気サッカークラブ、ベシクタシュが本拠とするスタジアムに隣接する路上で起きた。トルコ政府によると、300~400キロの爆発物を積んだ車が警察車両の近くで爆発した。
2回目の爆発は1回目の現場から約200メートルの公園付近で起き、警察官に囲まれた人物が自爆する様子が監視カメラに映っていた。
近くのカフェ店員フセイン・エムレさん(20)によると、「バーン」と耳をつんざく爆発音と同時に店が激しく揺れた。外に飛び出すと、爆発の火の手が上がっていた。
約40秒後に2回目の爆発音。その後、「パン、パン、パン」と警察官が銃を空へ連射しているのが見えた。「警察は存在を示そうとしているようだった」。駆けつけた救急車が、100台ほど列をつくった。
別のカフェ店長のモハメド・カラマンさん(20)は閉店支度中に爆発音を聞いた。「地震かと思うほど揺れた。家族連れ客の子どもが泣き出した」。逃げ惑う人々が次々と店内に押し寄せた。「みんなが『何が起きた』と叫び、パニックだった」
死者44人の内訳は、警察官3…