世界保健機関(WHO)は23日、エボラ出血熱の感染拡大を防ぐために開発が続けられてきたワクチンの効能が最終的に確認された、と発表した。2014年から西アフリカを中心に大流行したエボラ出血熱は、WHOが今年3月に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の終了を宣言するまでに2万8千人超が感染し、1万1千人超が死亡した。
このワクチンは、カナダの政府機関などが開発を続けてきた「rVSV―ZEBOV」。ギニアで臨床試験が実施され、1万1841人が参加。5837人が実際に接種を受けた。重大な副作用は確認されていないという。結果は英医学誌ランセットに発表された。
WHOのキーニー事務局長補は、「西アフリカでの大流行で命を失った人々には遅すぎたが、次の大流行に対しては、無防御でなくなった」と述べた。(松尾一郎)