米ハワイを訪問中の安倍晋三首相は27日午前(日本時間28日朝)、米太平洋軍司令部でオバマ大統領と最後の首脳会談を行った。両首脳は日米同盟の重要性を確認したうえで、海洋進出を活発化する中国の動向を注視することで一致。首相は沖縄県名護市沖での米軍輸送機オスプレイの事故について遺憾の意を伝えた。
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オバマ氏は来年1月に任期満了を迎える。日本側の説明によると、首相は会談で「オバマ大統領とともに努力し、日米同盟が深化したことを心から感謝する」と述べ、オバマ氏は「日米同盟がこれまで以上に盤石となることを期待している」と応じた。
中国海軍の空母「遼寧」が初めて太平洋を経由して南シナ海を航行したことについては、「中長期的観点からも注視すべき動向だ」との認識で一致。遼寧は25日、沖縄本島と宮古島の間を通って太平洋に向かったことが確認されている。首相はまた、尖閣諸島(沖縄県)について、オバマ氏が日本防衛義務を定めた日米安全保障条約の対象になるとの立場を表明していることを「力強い」と述べ、改めて歓迎した。
沖縄県名護市沿岸で13日に起きたオスプレイ事故については、首相から「本件事故の発生は遺憾だ」と伝え、安全確保と事故原因などに関する情報提供を求めた。米軍普天間飛行場の移設問題については「(名護市)辺野古への移設が唯一の解決策との立場は不変だ」と強調し、27日に辺野古で埋め立て工事を再開したことを伝えた。