日本一になり、胴上げされる富士通の藤田ヘッドコーチ=金居達朗撮影
アメフットの日本選手権・プルデンシャル生命杯第70回ライスボウル(朝日新聞社など主催)は3日、東京ドームであり、富士通(社会人)が関学大(学生)を30―13で下し、2年ぶり2度目の優勝を果たした。これで社会人が8連勝、日本選手権となった1984年以降の通算成績を22勝12敗とした。観客は3万3521人。
2フィールドゴールでリードを奪った富士通はその後、QBキャメロンが3本のタッチダウン(TD)パスを成功させ、加点。15年ぶりの日本一を狙った関学大の反撃を抑え、快勝した。最優秀選手(ポール・ラッシュ杯)にはキャメロンが選ばれた。
■動じぬ富士通守備陣
多様なスペシャルプレーを持つ関学大の攻撃に、富士通守備陣は動じなかった。関学大はQBがRBに球を手渡しし、ランプレーと見せかけて、そのRBがQBにバックトスし次のプレーを展開する「フリーフリッカー」を多用したが、DB陣が確実に関学大WRをカバー。さらに出足の鋭いDL陣が、パスを投じられる前に食い止めた。
したたかさも上手だった。守備隊形を見て関学大が直前にプレーを変えたが、富士通は逆にそれを察知。裏の裏を読んで前進を許さなかった。「自分のやるべき役割を果たしてくれた」と藤田ヘッドコーチ。
関学大は第3ダウンの成功率は約3割、第4ダウンの成功は7回中わずかに1回。厳しい数字が格上との力の差を物語っていた。(榊原一生)