外交演説前に、記者の質問に答える岸田文雄外相=20日午前9時58分、岩下毅撮影
岸田文雄外相は20日の衆院本会議で、外交の基本方針となる外交演説を行った。安倍晋三首相の施政方針演説では触れない、韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する「少女像」が設置された問題について「極めて遺憾」と述べ、慰安婦問題をめぐる日韓合意の着実な実施を韓国側に求めていく考えを示した。
演説では日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、経済外交の推進を日本外交の「三本柱」と説明。韓国については像の設置への懸念を表明し、「安全保障を含む幅広い分野において様々なレベルで意思疎通を図り、相互の信頼の下、日韓関係を未来志向の新時代へと発展させていくことが重要だ」と強調した。
また、「日中韓による協力プロセスは重要な意義を有している」と述べ、日本が昨年、議長国として調整しながら見送った日中韓首脳会談(サミット)の年内開催への意欲も表明した。