米韓合同軍事演習 今回の特徴
3月1日から始まる予定の米韓合同軍事演習に、米原子力空母カールビンソンが参加すると、米韓関係筋が明らかにした。北朝鮮の核・ミサイル開発の脅威が高まったことを受けて、西暦の奇数年は柱の一つの上陸演習を小規模に抑える従来の取り決めを変更した。
複数の米韓関係筋によれば、両国は昨年春、韓国軍約29万人、米軍1・5万人が参加し、「史上最大規模」の演習を行った。北朝鮮がその後も核実験や弾道ミサイル発射を続けたため、昨年と同規模の演習を行う方針を決めたという。
米韓は毎年春の演習で、米軍の増援の手順や様々な作戦の戦術を確認する。上陸演習は奇数年に大隊級、偶数年はより規模が大きい旅団級の兵員を投入してきたが、今年も旅団級となる。米空母は昨年に続く参加で、数千人規模の米軍の兵員投入を伴う。オバマ前政権の末期で構想され、今月初めの米韓国防相会談でトランプ政権もこの方針を確認したという。
今回の演習では3月中旬に2週間ほど、コンピューターを使って戦力展開を指揮する演習「キー・リゾルブ」を実施する。米韓が年内配備を進める高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)の使用を想定した演習も行う。THAAD配備には中国が強く反対している。
韓国国防省は今月14日の国会報告で今回の演習について「北朝鮮の核・ミサイルへの対応、報復攻撃能力を備えるための演習を強化する」と説明。「米側と戦略兵器の展開について協議している」とした。戦略爆撃機や米原子力潜水艦についても、朝鮮半島への派遣を検討している模様だ。