「バーミヤン」方南町駅前店で従業員と談笑する谷真社長(左)=1月31日、東京都杉並区、林紗記撮影
どうしてすかいらーくは、一時は危機に陥り、復活できたのか。そしてこれからどこを目指すのか。谷真(たに・まこと)社長に聞いた。
すかいらーく、ビッグデータ重視 新ブランド連発で復活
――2008年の社長就任前、すかいらーくは厳しい経営状況にありました。
「デフレが進行して、(1997年をピークに)外食産業は縮小する傾向にありました。赤字店の閉鎖などの構造改革を行った後に、既存店の成長を促す施策をとらなければいけないのに、『出店=成長』という考え方が社内に広がっていました。マーケットは拡大するもの、売り上げは上がるもの。そんな時代ではなかったのですが……。そうした考え方を変えていかないと何も始まらない状態でした」
「私はすかいらーくの子会社、ニラックスに長く在籍していたので、さめた目で見てきました。消費者のニーズと当時のビジネスモデルが合っていたかといえば、明らかにギャップが生じていました。消費者のニーズが細分化されている状況に対応できる組織にはなっていなかったのです」
――社長就任後、創業ブランドの「すかいらーく」の閉鎖を決断しました。70年に1号店を開業し、ファミリーレストランの先駆け的な存在です。多くの従業員から「1店だけでも残して欲しい」との声も出たようですね。
「確かに、そうした声は出ていました。しかし、創業ブランドのすかいらーくは、(同じファミレス業態の)ジョナサンと競合していました。ガストなどへの転換は避けて通れないことでした。ブランドを集約する動きと並行して、消費者ニーズの変化に対応するため『ステーキガスト』という新しいブランドを立ち上げてもいます」
「(すかいらーくを閉鎖した翌…