在マレーシア北朝鮮大使館を出て空港に向かうとみられるカン・チョル大使(右)=6日、クアラルンプール、サディク・アシラフ撮影
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア政府から4日に国外退去を命じられた北朝鮮のカン・チョル駐マレーシア大使が6日午後5時前(日本時間同日午後6時前)、出国するためにクアラルンプール国際空港に到着した。
特集:金正男氏殺害
カン大使は空港に詰めかけた報道陣に対し、「40年以上続く両国関係を害するマレーシア政府の極端な措置に対し、深刻な懸念を表明する」などと述べた。
カン大使は6日午後6時(同午後7時)までの出国が求められている。午後6時25分発のマレーシア航空機に搭乗し、北京経由で平壌に帰国するとみられる。
事件の処理をめぐって、カン大使はマレーシア警察の捜査を「信用できない」とし、「北朝鮮を中傷するために外部勢力と結託している」などと批判していた。これに対し、ナジブ首相は「(発言は)無礼だ」と不快感を表明。外交ルートを通じて謝罪を求めたが、北朝鮮側から返答はなく、アニファ外相が4日夕、カン大使の国外退去処分を発表していた。(クアラルンプール=都留悦史)