米国務省は7日、ティラーソン国務長官が15~19日に日本と韓国、中国を歴訪すると発表した。就任後初のアジア外遊で、核とミサイルで挑発を強める北朝鮮問題が主な議題となる。トランプ政権が策定を進めている、軍事行動を含めた新たな対北朝鮮政策についても詰めの議論をする。
一方、8日に退任するラッセル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が7日、朝日新聞など一部メディアの取材に応じ、ティラーソン氏が18日からの訪中で習近平(シーチンピン)国家主席と初会談するとの見通しを示した。4月前半の訪米を検討している習氏に対し、トランプ米大統領からの正式な招待を伝えるものとみられる。
米国務省のトナー報道官代行は7日の記者会見で、ティラーソン氏の訪中について、「トランプ政権は中国との建設的な関係づくりを求めている」と強調した。北朝鮮の後ろ盾となっている中国に対し、影響力を行使するよう要請。国連安全保障理事会決議に基づく対北朝鮮制裁の厳格な履行も求めていく構えだ。
ティラーソン氏は15日からの訪日で岸田文雄外相と会談。両氏の会談は2月のワシントンとドイツ・ボンに続き3度目。安倍晋三首相とも会談する。北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏の殺害事件を受け、北朝鮮の「テロ支援国家」への再指定についても協議する予定だ。
17日からの訪韓では、尹炳世(ユンビョンセ)外相らと会談。韓国に一部装備が配備された米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD〈サード〉)の運用を含め、韓国との防衛協力の強化について話し合う。(ワシントン=峯村健司)