【バンコク=京塚環】ラオスを訪問したケリー米国務長官は25日、首都ビエンチャンでトンシン首相らと会談した。ベトナム戦争中に米軍がラオスに落とした不発弾処理の支援などで合意した。米国務長官の訪問は4年ぶり。ラオスは2016年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国を務める。今年後半にはオバマ米大統領が米大統領として初めて訪問する予定で、その地ならしの意味もある。
両国は不発弾処理などを含め今後さらなる関係強化でも合意した。米国は南シナ海問題で中国寄りと見られてきたラオスとの友好関係をアピールし、ASEAN関連会合などで南シナ海問題の議論を有利に進める狙いもあるとみられる。建国以来40年間にわたって一党独裁体制を敷くラオスは人権問題などを抱え、米国はこれまで一定の距離を置いていた。
ラオスでは22日、中国と南シナ海問題で対立するベトナムと親交の深いブンニャン書記長が率いる新指導部が発足した。