リオ大会では、販売に苦戦していたパラリンピックのチケットが五輪閉幕後に急に売れ始め、チケット売り場に長蛇の列ができた
開幕まで3年半を切った2020年夏の東京五輪・パラリンピックのチケット販売に向けた準備が本格化している。気になるのはその値段。大会組織委員会は競技の人気や需要、過去の大会などを参考にしながら決めていくという。チケットは早ければ来夏から売り出される。
東京・虎ノ門ヒルズにある大会組織委員会チケッティング部では、過去の大会も参考にしながら、「適正価格」を探る市場調査の真っ最中だ。販売サイトの開発準備や不当な高額転売を防ぐ仕組み作り、入場管理システム準備なども急ピッチで進めており、16日からの国際オリンピック委員会(IOC)理事会で準備状況を報告する予定だ。
リオ五輪では、スマートフォンの画面に表示された「QRコード」を競技会場で読み取る「電子チケットサービス」を試したものの、認証スピードの遅れやスマホが故障した際の対応などに課題があり、本格導入は見送られた。それらの課題を踏まえながら、チケットレス化を進めることにしている。
招致時の立候補ファイルではチケットは約1010万枚(五輪約780万枚、パラ約230万枚)で、五輪チケットの平均は7700円、6割が4400円以下となっていた。しかし、鈴木秀紀部長は「価格は需要や競技の人気、過去大会の価格設定などを参考にしながら決めていく。平均価格は1万円くらいになるかも」と言う。
過去の五輪では、チケットの価格帯は最大五つ設定され、開会式が最も高い。東京も立候補ファイルでは開会式は最高15万円と想定。競技では、追加で実施が決まった野球は、日本での人気を反映して高めの価格になりそうだ。組織委にとってチケットはスポンサーと並ぶ収入の柱で、約723億円と全体の15%を占める想定だった。野球でさらなる増収を目指す。
その一方、鈴木部長は「五輪に…