福島第一原発に近い地域では、除染事業で出た廃棄物が詰められたフレコンバッグが山積みにされ、シートがかけられている=福島県浪江町、金川雄策撮影
東京電力福島第一原発の事故後、放射性物質が飛散した土地などの除染費として5年で2兆円余の国費が投じられた。この状況をビジネスチャンスととらえた多くの中小企業が、福島県内の自治体に除染技術の売り込み合戦を繰り広げた。
「業者がランデックの評価書を携え、水戸黄門の印籠(いんろう)のようにPRしてくる」
福島県の担当者が話した。県は2014、15年度にため池の除染関連技術を公募し、74件の応募に対して9件を採用。数千万円ずつ出して実証試験をした。
ランデックとは、内閣府認定の公益財団法人「原子力バックエンド推進センター」(東京都)の略称。一般的な知名度は低いが、研究施設などから出る低レベル放射性廃棄物の処理を担う、原子力業界では著名な団体だ。
ランデックによると、事故後、自治体や国に売り込みを図る中小企業の除染技術の評価も始めた。1件当たり100万~200万円で、年間で2千万円前後の収入を得ているという。ランデックの賛助会員には近年、除染関連法人が加入するようになり、15年度の賛助会費は計約2400万円に上る。
なぜこれほどまでに中小企業が…