森友学園の小学校設置認可申請をめぐる経緯
大阪府豊中市の国有地売却問題は、学校法人「森友学園」(大阪市)の籠池(かごいけ)泰典氏の証人喚問で、安倍晋三首相の妻昭恵氏との関係に焦点があたった。一方で、学園が4月開設予定だった小学校の認可申請についても疑問視する声が上がっている。結果的に小学校設置に向けた動きを後押しする形になった大阪府私学審議会の審査は、どのように進んだのか。
特集:森友学園問題
特集:森友学園・籠池氏の証人喚問
「規制緩和の風に乗って、やっちゃったわけですよ。籠池さん、気の毒だと思う。ある意味そこの段階で止めていただいていたら、こういう騒動にもならない」。24日の参院予算委員会。自民党議員が、学園側の認可申請に条件付き「認可適当」と結論を出した私学審に疑問を投げかけた。
学園側が府に対し、私立小学校の設置認可の審査基準を緩和するよう要望したのは2011年夏にさかのぼる。府は翌年4月に基準を緩和し、幼稚園しか設置していない学校法人に借入金があっても設置できるようにした。緩和後、小学校の認可申請は学園からの1件だけだという。
15年1月27日。大阪府庁の一室に、私学経営者や大学教授、府議会議員ら約15人の委員が集まった。学園の認可申請を話し合う臨時の私学審だった。
「本当に校舎が建つのか」「入学者が確保できるのか」「こんな絵空事でうまくいくとは思えない」……。朝日新聞が情報公開請求によって入手した議事録によると、学校運営や財務に疑問を示す声が委員から相次いだ。
「収支上、ウルトラC以上のす…