国有地取得の経過をめぐる大阪府と財務省の主張の違い
学校法人「森友学園」に国有地が売却された経緯にからみ、大阪府と財務省の言い分が真っ向から食い違っている。契約前に財務省側が府を訪れていた点や、事前に契約の確約が財務省から府にあったかについて、双方の対立が深まっている。
特集:森友学園問題
「国有地取得希望があった場合、事業の許認可主体である地元自治体に足を運び、意向をうかがうのが通例です」(佐川宣寿・財務省理財局長=24日、国会答弁で)
「(財務省が)日々足を運んで協議してますと言ったけど、4年間で足を運ばれたのは森友学園の件1件しかない。これが事実なんで」(松井一郎・大阪府知事=29日、記者団に)
松井知事は、財務省の職員が府を訪れたことが異例の対応だったと強調する。
府教育庁の記録などによると、学園側は2013年9月、大阪府豊中市の国有地に小学校を設置したいと府に相談。この頃、近畿財務局管財部の2人が、設置認可の事務を担っていた府私学・大学課(現在の府教育庁私学課)を訪れ、「『認可した』と文書で回答がもらえるのはいつか」などと尋ねたという。
松井知事は記者団に「国は親切やなと思った」と強調。その後、安倍晋三首相の妻昭恵氏が名誉校長に就任した経緯を念頭に「役所組織みんなでおもんぱかったんでしょう」と主張している。
一方、政権与党には、「問題は大阪の(府私学)審議会に始まった」(自民党の西田昌司参院議員)など、府側に責任を押しつけようとする動きがある。府私学審は15年、学校運営に疑問を示す声が相次ぐなかで「条件付き認可適当」を府に答申。これが小学校設置を後押しする形になったことを受けた発言だ。
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