安倍晋三首相は27日の国会審議で、学校法人「森友学園」(大阪市)の国有地売却問題で野党が要求する妻昭恵氏の証人喚問を「必要はない」と拒否した。民進党は、首相の知人が理事長を務める学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設が認められた経緯も質問。「二つの学園」が論戦の的になった。
「(学園の)籠池(かごいけ)泰典理事長は偽証罪が問われる証人喚問で証言した。(昭恵氏は)自民党議員ばかりに説明せず、堂々と証人喚問に応じるべきだ」
この日の参院予算委員会で、自由党の森ゆうこ氏に迫られた首相は即座に「必要ない」と断言した。立法府が決める証人喚問の必要性を行政府の長である首相が否定する異例の答弁になった。
首相はその後の参院財政金融委員会でも「日本の行政はまじめにやっている。全く忖度(そんたく)は働いていなかった」と昭恵氏の行動が国有地売却や学校認可に影響を与えなかったと強調。民進の風間直樹氏から「一連の首相夫人の行動に軽率な点があったのではないか」と問われても、「これは籠池氏の責任だ」と自身や妻の責任を認めなかった。
民進の桜井充氏は参院予算委で加計学園の獣医学部の新設をめぐり、政府が事業者を「1校限り」とした公募の経緯や、首相と学園との関係を問いただした。
首相は「福田内閣の時に構造改…