トランプ米大統領(左)とサウジアラビアのムハンマド副皇太子=3月14日、AFP時事
米ホワイトハウスは4日、トランプ大統領が就任後初の外遊として、今月下旬からサウジアラビア、イスラエル、パレスチナ自治区、バチカンを歴訪すると発表した。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教のゆかりの地を訪れる。対テロ戦略で中東の同盟国との連携を強化し、停滞する中東和平交渉の再開へつなげる狙いだ。
特集:米トランプ大統領
初外遊先として、オバマ前大統領はカナダ、ブッシュ元大統領はメキシコを選ぶなど、歴代大統領は近隣諸国を重視する傾向にあった。初外遊先にイスラム圏を選んだのは極めて異例。トランプ氏は中東・アフリカ7カ国の国民の入国を一時禁止する大統領令を出した際、「イスラム教徒差別」と国内外から批判されており、今回の決定に影響を与えた可能性もある。
ホワイトハウスやイスラエル紙によると、トランプ氏はまずサウジを訪問し、22日にイスラエル、23日にパレスチナ自治区を訪問。24日にバチカンでフランシスコ法王と会談する。25日にブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)、26日にイタリアで主要7カ国(G7)の首脳会議に出席する予定だ。
トランプ氏は4日、初外遊先にサウジを選んだことについて、「イスラム教の最も神聖な場がある。そこからイスラム圏の同盟国との協力、支援の新たな土台の構築を始める」と説明した。サウジではサルマン国王と会談し、湾岸諸国の首脳らを集めた会合にも参加。過激派組織「イスラム国」(IS)に対する掃討作戦や、米政府がテロ支援国家に指定し、サウジと対立関係にあるイランへの対応について協議する。
イスラエルではネタニヤフ首相…