ホワイトハウスで、到着したアッバス議長を迎えるトランプ米大統領(左)=3日、ワシントン、ランハム裕子撮影
トランプ米大統領は3日、ホワイトハウスでパレスチナ自治政府のアッバス議長と初めて会談した。2014年に頓挫したイスラエルとパレスチナの中東和平交渉について「ぜひ仲介者になりたい」と述べ、仲介に強い意欲を示した。
特集:米トランプ大統領
政治ニュースサイト・ポリティコによると、トランプ氏は25日にブリュッセルで開かれる北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議への出席に合わせ、イスラエルやサウジアラビア、バチカンを訪問するという。アッバス氏との会談を受けて、どのように交渉再開につなげるかが注目される。
会談後、アッバス氏と並んで声明を読み上げたトランプ氏は「合意を手助けするために必要なことを何でもやる。我々は和平を達成する」と表明した。ただ、具体案は示さず、歴代米政権が基本方針としてきたイスラエルと将来のパレスチナ国家の「2国家共存」にも言及しなかった。
選挙中からイスラエル寄りの姿勢を鮮明にしてきたトランプ氏はイスラエルのネタニヤフ首相との2月の首脳会談で、2国家共存にこだわらない考えを示し、波紋を広げた。
これに対し、アッバス氏は「我々の戦略的選択は、2国家共存に基づいて和平をもたらすことだ」と強調した上で、「大統領の指導力、見識、素晴らしい交渉力の下で我々はできる。歴史的な和平条約をもたらす真のパートナーになれる」と強い期待を表した。
アッバス氏は3月末、朝日新聞…