東芝は19日、半導体子会社「東芝メモリ」の売却先を決める2次入札を締め切った。政府系ファンドの産業革新機構を軸とした「日米連合」など4陣営が応札した。ただ、日米連合は内部での調整が遅れ、買収金額などを固め切れないまま応札した。今後の入札手続きが難航する可能性がある。
東芝半導体買収に最大2.8兆円 日米連合が提示準備
複数の関係者によると、2次入札には、「日米連合」として革新機構や日本政策投資銀行と組んでいる米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が主体として応札した。ただ、革新機構や政投銀は、今回の入札までに組織内の手続きが間にあわず、買収計画に不透明感が残っている。
一方、1次入札から候補に残ってきた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と、米半導体大手ブロードコム、韓国の半導体大手SKハイニックスの3陣営は予定通り応札した。
東芝は今後、条件を精査して候補を2陣営に絞り込み、6月下旬の株主総会前に最終的な売却先を決めたい考えだ。ただ、日米連合からの確定した買収計画を待って手続きが長引いた場合、ほかの応札者から批判も出そうだ。
一方、売却の中止を求めている協業先の米ウエスタンデジタルは同日、独自の提案を出した。東芝メモリに過半を出資して経営権を握ったうえで、革新機構や他の日本企業からの出資も受け入れる意向という。