JR九州の「ななつ星」の車両
JR九州は29日、九州を周遊する豪華寝台列車「ななつ星」の3泊4日コースについて、来年3月から経由地や宿泊場所を大幅に見直すと発表した。1日目に門司港を経由し、夜に大分方面から阿蘇に入るルートを盛り込むことが目玉だ。
特集:テツの広場
2013年秋から運行するななつ星の3泊4日コースは現在、博多から大分、宮崎、鹿児島を通って肥薩おれんじ鉄道を経由し、博多に戻る。当初は阿蘇地方がルートに入っていたが、昨年4月の熊本地震で豊肥線が一部不通になり、現在は阿蘇を通らず九州を周遊するルートにしている。
今回の変更は、「阿蘇の復興に協力したい」(青柳俊彦社長)として、阿蘇にななつ星を再び乗り入れる案を優先して検討したという。博多から門司港に寄ったあと、大分方面から阿蘇に入り、また大分方面に戻って宮崎、鹿児島などを経由し、博多に戻る。
2日目には大分・由布院で地元の高級旅館に宿泊。大分・宇佐や熊本・人吉などでは列車を降りて「立ち寄り観光」も。ルートの一部変更はあったが、大幅刷新は初めてとなる。
JR東日本が5月に「トランスイート四季島」の運行を始めるなど、豪華列車も競争相手が増えている。今回のルート見直しとは直接関係がないというが、ななつ星の予約への影響について、JR九州の青柳社長は29日の会見で、「心配がなかったというとウソになる」と警戒心も示した。(湯地正裕)