大阪市を廃止して特別区に再編する大阪都構想を具体化する法定協議会(法定協)の設置議案が9日、大阪府議会本会議で大阪維新の会と公明党などの賛成多数で可決された。今月中に法定協の初会合が開かれる見通し。2年前に住民投票で否決された都構想をめぐる論戦が再び始まる。
特集:大阪都構想
法定協は知事と市長、府市両議会の議員計20人が委員となり、特別区の設計図となる「協定書」を作る。
維新は府市の両議会で過半数を得ておらず、法定協の設置に公明の賛成が必要だった。このため、今回は2013~15年に開かれた前回の法定協と異なり、特別区案の検討だけでなく、公明が主張する大阪市を残したまま区の権限を強める総合区案も議論する。
この日の本会議では、維新は「大都市制度改革は待ったなし」と訴え、公明は総合区制度の導入を念頭に「住民自治の拡充をはかる仕組みの転換が必要だ」と賛成した。一方、自民党は「大阪市を廃止する議論は賛成反対をめぐり住民を二分する」と反対した。