ロンドンで9日、発行された新聞各紙。英国総選挙の出口調査の結果から、与党・保守党の過半数割れでメイ首相に辞任の圧力がかかると報じている=AFP時事
英国で8日(日本時間9日)に投開票が行われた総選挙(下院定数650)では、与党・保守党が318議席(日本時間同日午後8時現在)にとどまり、どの党も単独では過半数に届かない「ハングパーラメント」(宙づり議会)になった。メイ首相は地域政党などとの連携を模索し、過半数確保を目指すが、困難な政権運営を迫られるのは必至だ。
英与党過半数割れ、EU離脱影響も メイ首相は続投意向
「この国に、確実性をもたらす政府をつくる」。メイ氏は9日午後、首相官邸前で演説し、続投する意思を表明した。今後は、メイ氏が法案成立に必要な過半数の支持を確保できるかが、最大の焦点だ。
下院の過半数は、単純計算すると326議席。だが英国では、正副議長の3議席のほか、北アイルランドの隣国アイルランドへの帰属を主張して、議会に出席しない地域政党のシンフェイン党(7議席)を除いて、実質的な過半数を計算する。そのため、今回は321議席となる。
メイ政権が今後、議会に諮らなければならない課題は山積みだ。予算を成立させるだけでなく、法人税の引き下げや、テロ対策のための警察予算の増額など、総選挙でも争点となったテーマが並ぶ。
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