「市場のあり方戦略本部」の会合で報告を聞く小池百合子都知事(中央)=15日午後、東京都庁、川村直子撮影
築地市場問題を巡り、小池百合子・東京都知事は15日、築地市場の豊洲移転後に築地の跡地を民間などに貸して賃料を得た場合、豊洲市場を安定的に運営できるとする都の「市場のあり方戦略本部」の報告を受けた。同本部は、豊洲に移って跡地を売却する案や築地で再整備する案より優位とみている。小池氏もこの案を軸に検討するとみられ、来週にも方向性を示す見通しだ。
特集:豊洲移転問題
15日に同本部の会合があり、小池氏や同本部メンバーの副知事ら都幹部が出席した。同本部は、豊洲市場の安全性や将来の市場収支などに関する有識者会議の意見を踏まえ、小池氏が移転の可否を判断する材料をそろえた。同日は豊洲に市場を移し築地の跡地を貸して賃料を得る案と、跡地売却案の二つについて、同本部が収支見通しを示した。
報告によると、跡地を貸す場合、50年間の定期借地で年160億円程度の賃料収入が見込めるとした。豊洲市場整備費約6千億円のうち、約3600億円は借金で賄っているが、賃料収入などで返済すると、35年程度で赤字の解消が可能とした。
一方、跡地を売却する場合、都…