中日の鈴木翔太
(27日、中日3―1阪神)
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大歓声を受けると、中日の鈴木は思わず感極まった。家族や友人が見守る地元・浜松での凱旋(がいせん)登板を3試合ぶりの勝利で飾った。高校時代に慣れ親しみ、3年前に中継ぎとしてプロデビューを飾った思い出のマウンド。「何とか浜松では勝ちたかった。個人的にも結果を残さないといけないと思っていた。少しは成長した姿を見せられたかな」
毎回走者を出した。5四球と荒れた。ともに先頭を出した三、五回は三塁まで走者を許した。それでも、「走者をかえさないことだけを考えた」。持ち味の粘りで、ピンチをしのいだ。
だが、七回、二塁打と四球で1死一、二塁とされて交代を告げられた。「七回も、行ったからにはきっちり3人で三つアウトを取らないと」。被安打3の1失点に、悔しさも残った。
静岡・聖隷クリストファー高からドラフト1位で入団した4年目右腕。度重なるけがを乗り越え、今季やっとプロ初勝利を挙げた。
これまで3勝3敗。競争が激しい先発ローテーションの生き残りをかけて、今が踏ん張りどころだ。好不調の波が激しく、森監督は「良い鈴木君」と「悪い鈴木君」と表現する。この日は、「浜松で特にいい投球もしたけど、『もう一人の鈴木』もいた気がする」。
鈴木は言う。「また来年も浜松に帰ってきて、一回り大きくなった姿を見せたい」。今季の目標の5勝まで、あと一つ。故郷での1勝で弾みをつけたい。(野田枝里子)
○森監督(中) 小刻みな継投で逃げ切る。「鈴木に少しでも多く投げさせたいという気持ちはあるけど、その分ベテランが頑張ってくれた」
○ゲレーロ(中) 両リーグトップの21号本塁打。「完璧に打てた。前の打席から打ち方をうまく修正することができた」