常翔啓光学園中学・高校に完成したクライミング専用壁。左側が「スピード壁」=小林一茂撮影
■スポーツ好奇心
特集・スポーツ好奇心
5月、大阪府枚方市の常翔啓光学園中学・高校に「国内初」とうたう“壁”が完成した。2020年東京五輪の追加競技となったスポーツクライミングの専用壁だ。無数に配置された突起(ホールド)はつかみやすそうで、なんだか素人でも登れそう。なじみのなかった競技を知る、いい機会。挑戦させてもらった。
スポーツクライミングには、登りきった回数を競う「ボルダリング」、登った高さを競う「リード」、登りきる速さを競う「スピード」の3種目がある。同校のワンダーフォーゲル部が使う「常翔啓光クライミングウォール」は、一つの建造物に全種目の専用コースがそろっているという点で、国内初の施設らしい。
山岳担当の先輩記者に相談すると、「登るなら、絶対にスピード壁」と勧められた。スピード壁は国内に練習場も含めて3カ所しかなく、国際大会を開く基準を満たしているのは西日本でここだけなのだという。ユース日本代表の合宿も開かれた。
スピードは、同じ場所に同じ形のホールドが配置された二つのコースを使い、1対1で競う。高さ約15メートルの壁の仕様は、世界共通だ。「世界記録は5秒台だから、頑張って」と先輩。え? そんなにさらっと登れるものなんですか?
ほぼ垂直の壁の前に立った。登…