優勝した競泳の伊藤華英さん(左から2人目)のチーム。段ボールなど、10・35キロを拾い上げた=東京都港区の秩父宮ラグビー場
ゴミ拾いをスポーツに――。ある市民ランナーの発想から始まった「競技」が全国に広がっている。1時間で拾うゴミの量を競い合う「スポGOMI」。開催は10年で570回を超え、集めたゴミは65トンを突破。3年後の東京パラリンピックを見据え、車いす版の普及にも取り組んでいる。今月5日、2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が東京都内で主催した「スポGOMI」に本紙スポーツ部記者が挑戦した。
「ゴミ拾いはスポーツだ!」。東京都港区の秩父宮ラグビー場に参加者たちの声が響いた。リオデジャネイロ五輪銅メダルの荒井広宙(29)ら競歩の3選手も参加し、約100人が早歩きで街を巡り、ゴミを探した。
「組織委員会と仕事をするなんて昔は考えられなかった。ようやく『スポーツ』として定着してきたかな」。日本スポGOMI連盟の代表を務める馬見塚健一さん(49)はほほえむ。
10年前。馬見塚さんは葛藤を抱えていた。日本有数の観光地、横浜市のみなとみらい地区。せっかくすがすがしい朝なのに、走るたびにゴミが目につく。走るのに集中したい。でも、見逃すのもしのびない。
「目についたゴミだけ拾ってみよう」
拾い始めると、止まらなくなっ…