試合終了後、あいさつを終えてベンチに引き揚げる佐野日大の麦倉監督(手前)と選手ら=県営
(16日、高校野球栃木大会 国学院栃木7―5佐野日大)
動画もニュースもたっぷり!「バーチャル高校野球」
各大会の組み合わせ・ライブ中継予定はこちら
みんなで決める歴代名勝負 甲子園ベストゲーム47
栃木大会で佐野日大が敗れ、3年連続で3回戦敗退となった。チームを指揮したのはプロ野球の阪神でプレーした麦倉洋一監督(45)。佐野日大が甲子園に初出場した1989年夏のエースで、今春、監督に就任した。
大接戦だった。2点を追う七回、佐野日大は主将の金子が四球を選び、盗塁を決めた。好機を広げて無死一、二塁。中山の二塁打で金子、原田が追いかけっこをするように相次ぎ本塁を踏み、同点に追いついた。
「守りでも攻撃でも攻める」。金子は、麦倉監督の野球をこう理解し、チームを引っ張った。投手陣も経験豊かな麦倉監督に信頼を寄せる。エースナンバーを背負う原田は「春から自分の投球がよくなった」と実感する。練習の合間に冗談を言い、兄貴分のような監督。「丁寧に教えてくれ、わかりやすい」と話す。この日先発した君島も「低めへの意識を高く持つように言われた。監督の高校時代の話も聞き、勉強になった」。
それぞれの選手の胸に監督の教えは届いた。しかし、八回に2点を奪われ、チームは敗退。「勝たせてあげたかった」。麦倉監督は唇をかんだ。「強いチームにはいいピッチャーがいて、いいバッターができる。相乗効果が生まれる」が信念。「強い気持ちを持たないと短期決戦は厳しい。もっときたえます」。麦倉監督は今後を見すえた。=県営(坂田達郎)