東筑―済美 五回裏済美2死一、三塁、橋本は左越えに逆転の3点本塁打を放つ。捕手北村=細川卓撮影
(8日、高校野球 済美10―4東筑)
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■済美・橋本圭介
肩より上の位置での派手なガッツポーズは、「相手に失礼」と中矢監督から禁じられている。だから腰の位置で小さく拳を握った。
7番打者の逆転3ランが飛び出したのは、3―4と追い上げた五回、なおも2死一、三塁からだった。カウントは2ボール。「真っすぐにヤマを張った。思い切り振ることだけを考えた」。東筑の石田がストライクを欲しがって投じた131キロのストレート。振り抜いた打球は左翼手のはるか頭上を越えていった。
昨秋の四国大会準決勝でコールド負けしてひ弱さを痛感して以来、1・1キロの木製バットで1日千スイングを振り込んだ。「しんどいんですけど、一振り一振り、気を抜かないようにした」。下位でも一発が出る「フルスイングの済美打線」を大舞台で体現した。
試合を決めた一振りは、甲子園での大会通算1500号と節目の一発に。「色んな方が積み上げてきた数字なのに、いいとこ取りしてしまった」。次戦では自身2本目は狙わない。「真っすぐを集めすぎて狙い打たれた」と悔いが残った捕手としてのリードに、まずは専念する。(平井隆介)
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■甲子園球場での選手権大会の節目の本塁打
1号 第10回大会(1924年) 田中市太郎(静岡中)
500号 第67回大会(1985年) 藤井 進(宇部商)
1000号 第85回大会(2003年) 菊池 智(桐生第一)
1500号 第99回大会(2017年) 橋本 圭介(済美)
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「きょうはいけるぞ」。七回から登板した済美の左腕・影山は先頭を直球で三振に打ち取ると、緊張が解けた。ブルペンでは制球が定まらなかったが、腕を振ることに集中すると得意の直球が伸びた。この回、三者とも直球で三振にしとめた。愛媛大会から計15回を無失点。自己最速を2キロ更新する138キロも出した。「持ち味のテンポの良い投球ができた。気持ちよかった」と話した。
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○亀岡(済) 六回に相手を突き放す2ラン。「強く打つことだけを考えた。打った瞬間届くと思ったが、まさかあそこまで伸びるとは」と喜んだ。