練習の合間に立ち合いの姿勢で股関節をストレッチする内藤圭史君=兵庫県西宮市今津西浜町1丁目
13日に初戦を迎える大垣日大(岐阜)。1年生ながら打線の主軸を担うのが左翼手の内藤圭史(きよし)君だ。
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岐阜大会では4回戦で2打席連続本塁打を放つなど長打力が持ち味。甲子園入り後の10日の練習でも、4本の打球を外野スタンドに豪快に運んでいた。
自慢の長打力を支えるのは、中学時代から始めた試合や練習前に行う少し変わったルーティンだ。
グラウンドの片隅で腰を深く落とし、ひざを直角に曲げて足をずりずりと左右に大きく開く。相撲の立ち合いの姿勢だ。甲子園練習のあった2日にも、室内練習場で1人、この姿勢を取っていた。
愛知県岡崎市出身。小学2年生から野球を始め、中学では「愛知蒲郡リトルシニア」に所属した。だが、練習は休日が中心だったため、体を鍛えようと部活で始めたのが相撲だった。
きっかけは、同じ愛知県出身で強打者として憧れる元中日ドラゴンズの山崎武司さん(48)。山崎さんも中学時代、相撲など野球以外のスポーツにも取り組んでいたことを知り合いに聞いた。
1日に500回の四股を踏み、木の柱に向かって突っ張りを繰り返した。中学3年時の7月の愛知県大会では体重75キロ以下級で準優勝し、「あと1回勝てば国技館でした」。
相撲での努力は、狙い通り野球に結びついた。股関節が柔らかくなり、バットを振る時の下半身の粘り強さが生まれ、打球の飛距離が格段に伸びた。阪口慶三監督(73)は「怪物に育てて卒業させたい」。
大垣日大は、大会第6日の13日午前8時から天理(奈良)と対戦する。内藤君は、「1年生らしく思い切りの良いスイングをしたい」。(松浦祥子)