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韓国出身監督の改革結実 バド日本、世界選手権で飛躍

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女子シングルスで金メダルを獲得した奥原希望=AFP時事


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27日に英グラスゴーで閉幕したバドミントンの世界選手権で、日本は女子シングルスの奥原希望(のぞみ、日本ユニシス)の金メダルをはじめ、前回2015年ジャカルタ大会の3個を上回る史上最多のメダル四つを獲得した。企業チーム主体だった選手強化を日本代表主導に切り替えたり、ジュニア世代から国際試合を経験させたりと、地道な取り組みが結果につながった。3年後に迫る東京五輪への期待も膨らむ。


表彰台の上で22歳の奥原が笑顔を振りまいた。身長156センチ。決勝で破ったリオデジャネイロ五輪銀メダルの179センチ、シンドゥ・プサルラ(インド)より台の一段高いところにいるのに、まだ目線が低かった。


身長が低ければその分、ラケットを伸ばせるリーチは短く、一歩の歩幅も短くなる。ダブルスと違い、フォローしてくれる相棒はいない。奥原はそうしたハンディをはねのけ、シングルスでは五輪、世界選手権を通じて日本勢初の頂点に立った。朴柱奉(パクジュボン)監督は「奥原は小さいし、攻撃力はあまりない。とにかくコート全面を動き、守備が良かった」。


気持ちの強さも称賛する。「奥原は今回の世界選手権は私が絶対に取るという気持ちが強かった。練習を見ていればわかる。自分で追い込める。だから時々練習でけがをするくらい」。銅メダルを獲得したリオ五輪後、右肩の故障を乗り越え、フィジカル、スピードとも向上したという。


今大会の日本勢の活躍は奥原だけにとどまらない。女子ダブルスでは、初出場の福島由紀、広田彩花組(再春館製薬所)が銀メダル、リオデジャネイロ五輪金メダルの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)が銅メダル。世界ランキング10位までに日本勢4組が名を連ねる実力通りの結果を残した。男子ダブルスの園田啓悟、嘉村健士組(トナミ運輸)も、この種目の日本勢2大会連続となる銅メダルを手にした。


こうした躍進は、2004年に代表監督に就任した朴氏抜きには語れない。


朴監督は韓国出身で、1992年バルセロナ五輪男子ダブルス金メダリスト。就任当時、日本代表は名ばかりで、合宿は行われず、選手の強化は所属先の企業チーム任せ。日本国内での試合を優先する企業チーム側から、国際大会で選手を使わず休ませるよう求められることもあった。


朴監督は企業チームに理解を求め、代表合宿の実施にこぎつけた。現在は海外遠征も含めると年間200日以上、選手たちを手元に置いて指導する。選手たちは所属の垣根を越え、レベルの高い相手と普段から競えるようになった。代表スタッフが企業チームの指導者と連携することで、弱点強化などを継続的に行えるようにもなった。


また、ジュニア世代からの強化を重視し、年代別代表を整備。中高生を積極的に国際大会へ派遣し、経験を積ませた。奥原はその流れに乗った1人。12年には世界ジュニア選手権を日本勢で初めて制した。


リオ五輪で日本勢のメダルは金1、銅1の計2個だった。3年後の東京五輪では、複数の金メダルや個数の上積みに期待がかかる。奥原は「ここがゴールじゃない。東京五輪に向けてさらにパワーアップしたい。金メダルの確率を上げたい」と言う。朴監督も「日本が絶対的に強いわけじゃない。東京五輪までのライバルはたくさんいる」と気を引き締めていた。(稲垣康介、清水寿之)



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