W杯出場を決め、喜ぶ日本代表=関田航撮影
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■W杯アジア最終予選B組
(日本2―0豪州)
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選で、B組の日本(世界ランキング44位)は31日、埼玉スタジアムで豪州(同45位)を2―0で破り、6大会連続6回目のW杯出場を決めた。通算成績を6勝1敗2分けの勝ち点20とし、1試合を残して、W杯出場権を得られる同組2位以内が確定した。日本は豪州に過去の最終予選で2敗5分けで、今回が初勝利となった。
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■井手口が豪快ゴール
後半、井手口はチーム2点目となるゴールを決める=関田航撮影
W杯出場がかかる大一番に、チーム最年少の21歳のMF井手口が起用された。「最初に選ばれた時はびびっていた。それが徐々になくなってきている」と今では自信を深めている。ボールを奪い取る守備の部分だけでなく、FKやCKのキッカーも任された。誰よりも積極的に動き、日本の中盤を引き締めた。後半37分には、自らドリブルで持ち込んでミドルシュートをたたき込んで追加点を奪った。「こういう舞台で使ってもらって結果を残したいという気持ちが得点につながった」と喜んだ。
■乾、左サイドで躍動
前半、左足でシュートを放つ乾(右)=長島一浩撮影
W杯予選初先発のFW乾が左サイドで躍動した。前半14分に右に流れて球をキープし、左足でミドルシュート。わずかにゴール左に外れた。4年前にW杯ブラジル大会出場を決めた豪州戦はベンチで見守っていた。「今回はしっかりチームのために何かをしたいなという気持ちはすごい強い」と臨んだ一戦で攻撃を活性化させた。
■3バック崩される
後半、2点目のゴールを決める井手口=長島一浩撮影
豪州は3バックが精彩を欠き、2失点。W杯予選では初めて日本に黒星を喫した。得点源のFWユリッチが先発から外れ、本来の主将もけがで不在と、前回対戦した昨年10月のような迫力は出せなかった。ポステコグルー監督は「試合を支配することが目的になる」と語っていたが、DFラインからの球回しも精度が低く、リズムが悪かった。
■ハリルホジッチ監督
後半、井手口の追加点に喜ぶ日本代表のハリルホジッチ監督=内田光撮影
「これは日本の国民のみなさんのための勝利だった。みなさんは素晴らしいサポーター。本当に誇りに思う。これからW杯本大会に向けて、準備をしたい」
■浅野のコメント
前半、先制ゴールを決め喜ぶ浅野⑱=内田光撮影
先制点。「あの形を狙っていた。(ゴール前に飛び出すのが)僕の特長。日本のために貢献したいと思っていたので、それができてよかった」
■長谷部のコメント
後半、中盤で競り合う長谷部⑰=長島一浩撮影
「日本中が一つとなって、勝ち取ったW杯の切符。個人的には8月31日を目標にリハビリをやってきた。その結果が報われて非常にうれしい」
■試合詳細
【前半1分】豪州のキックオフで試合が始まった。
【前半13分】豪州の浮いたシュートはGK川島が止める。
【前半14分】乾の左足シュートはゴール左に外れる。
【前半23分】相手のミスパスを拾った大迫がシュートしたが、GKに止められる。
【前半32分】豪州が右からのスルーパスでチャンスを作るが、川島がピンチを未然に防ぐ。
【前半35分】日本が左サイドから攻め上がったが、浅野のヘディングシュートはゴールの外へ。
【前半38分】豪州のシュートはDF吉田が触ってコースが変わり、右ポストに当たり、難を逃れる。
【前半41分】日本が先制。長友のセンタリングをゴール前に飛び出した浅野が左足で押し込む。
【前半44分】追加点を狙った大迫のシュートは右に外れる。
【前半終了】追加時間1分がすぎ、日本の1点リードで折り返す。
【後半1分】日本のキックオフで後半開始。
【後半4分】DF吉田がボールの処理を誤り、失点のピンチに立ったが川島がセーブ。
【後半12分】乾がドリブルで仕掛けたが、シュートは止められ、CKに。
【後半16分】豪州が最初の選手交代。トロイジに代わってユリッチが入る。
【後半25分】豪州は日本戦に強いケーヒルを投入。
【後半26分】日本のピンチは守備陣の頑張りでなんとかしのぐ。
【後半30分】日本が初めての選手交代。乾に代わって原口がピッチに入る。
【後半32分】井手口のシュートは惜しくも豪州の守備陣に防がれる。
【後半37分】浅野のドリブルからチャンスを作るも大迫のシュートはゴールを越える。
【後半37分】日本2点目。ドリブルで持ち込んだ井手口が自ら右足を振り抜き、鮮やかなゴール。
【後半42分】大迫に代わって岡崎が出場。
【後半44分】日本が最後の選手交代。浅野に代わって久保が出場。
【後半46分】追加時間は「3分」と表示される。
【後半49分】主審の笛が鳴り、試合終了。日本は6大会連続のワールドカップ出場を決めた。
■日本の先発
GK 川島(メッス)▽DF 長友(インテル・ミラノ)吉田(サウサンプトン)昌子(鹿島)酒井宏(マルセイユ)▽MF 長谷部(フランクフルト)井手口(ガ大阪)山口(セ大阪)▽FW 乾(エイバル)浅野(シュツットガルト)大迫(ケルン)
右ひざのケガから復帰の長谷部がスタメン入り。ケガで出場が懸念された大迫も先発。乾が今大会のアジア最終予選で初先発。本田と香川はベンチスタートに。