前半、ゴールを決め喜ぶ浅野⑱=内田光撮影
(31日、日本2―0オーストラリア)
そのゴールが、一気にロシアへの道を切り開いた。
【試合詳細】日本、サッカーW杯出場決定 6大会連続6回目
(The Road)ここ一番、結果出す 日本代表FW・浅野拓磨 サッカー
前半41分。サイドを駆け上がっていた日本のDF長友が右足でゴール前へ。このクロスを、相手DFの背後をついた浅野が左足で丁寧に合わせる。「なんとかゴールで勝利に貢献したいと思っていた」。アジア最終予選では昨年9月のタイ戦以来の先発だった22歳が、待望の先制のゴールネットを揺らした。
互いに勝てば、W杯出場が決まる大一番。ハリルホジッチ監督は高らかに宣言していた。「決断力と意欲をもって、勇敢にいきたい」。大胆な采配をふるってきた監督は、浅野の起用も含め、最終予選で試したことのなかった布陣と顔ぶれに、命運を託した。
中盤の底に長谷部、その前に山口、井手口を並べる「4―3―3」の布陣。守備力の高い3選手を中盤にそろえ、前線から積極的に前に出て守る。そして最終予選で初先発の乾、浅野のスピードあるFWが豪州の守備を切り裂く。その意図が見て取れた。
これが攻守に、はまった。後半37分には21歳の井手口がミドルシュートで代表初得点となる2点目。押しこまれる時間もあったが、長谷部、山口らが重圧をかけ続け、最後までゴールを割らせなかった。
日本は昨年9月のW杯最終予選初戦のUAE戦に敗れた。現行のホーム・アンド・アウェー方式による最終予選初戦で敗れたチームが、W杯出場権を得たことはなかった。1年前のチームはどこか自信なげだった。しかし、この夜は新たに台頭した選手らが示したように、実に堂々と戦っていた。強気な指揮官の下、たくましく成長したからこそ日本代表は6大会連続でW杯出場権を勝ち取った。(堤之剛)