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闇市跡、赤ちょうちん消えぬ一等地 大井町の「竜宮城」

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2017-10-24 20:19:23  点击:  切换到繁體中文

 

写真・図版


東急大井町線


「おいで、おいで」と手招きするかのようにのれんが揺れる。宵闇に浮かび上がる赤ちょうちん。ドアの奥からカラオケの歌声が聞こえてくる。


「各駅停話」一覧


テツの広場


東急大井町駅(東京都品川区)の改札口を出て徒歩約1分。飲み屋街「東小路(あずまこうじ)」に初めて足を踏み入れた人は、映画のセットのようなたたずまいに圧倒されてしまうだろう。「ここは竜宮城。終電ギリギリまで飲んでいたい」。東京の酒場文化に詳しいライター藤木TDCさん(55)もそう語る。


闇市の跡。配給が行き届かない戦後の混乱期、露天商らを通じて食料や生活物資が売買された。路地は幅約3メートル、長さ約100メートル。ただの直線の飲み屋街ではない。もう店はないだろうと思っても迷路のように道が続き、暗がりの先にさらに店がある。利便性抜群の一等地にもかかわらず、再開発の波にのみ込まれずに残った空間だ。「東小路」だけで約60軒あるという。


「この街の名前はうちのオヤジたちがつけたんです」。大井東口商店街振興組合の副理事長で「金井寿司(かないずし)」の2代目店主、平方啓友(ひらかたひろとも)さん(62)が教えてくれた。戦争から復員し、新橋で寿司職人をしていた父。1950(昭和25)年、バラックが並んでいた大井町駅前の闇市跡に店を構えた。


大規模な工場が立ち並び、国鉄(現JR)の車両基地もあり、労働者の街として栄えた大井町。グランドキャバレー「杯一(ぱいいち)」「バロン」「メトロ」が夜ごとにぎわった。路地裏はいまも昭和ムードたっぷり。平打ち麺と焦がしネギが特徴の昔ながらの中華そば屋や、牛たたきや串カツ、ポテトサラダが人気の立ち飲み屋が軒を連ねる。


金井寿司の名物は「焼き寿司」…




 

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