「75歳まで他人には教えなかった」と語る腕振りトレーニングを欠かさない石川董(ただし)さん(右)と妻の陽子さん=岩手県奥州市
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年齢を重ねても、より速く、高く、遠くへ――。国際・第38回全日本マスターズ陸上競技選手権大会が27~29日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場で開かれる。海外選手を含む2263人がエントリーした参加者の中で、岩手の石川董(ただし)さん・陽子さんのともに84歳の夫妻は、そろって30年連続出場となる。記録を追い求める人。大会での仲間との再会を楽しみに体を鍛える人。それぞれの人生に陸上がある。
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■ついに30年連続出場へ
夫婦そろって出場を重ねてきた岩手県奥州市の石川董さん(84)・陽子さん(84)夫妻。董さんは「まさかここまで続けられるとはね」。1988年の第9回大会以来、今大会で30年連続出場となる。
1998年の第19回全日本マスターズ陸上競技選手権大会の時の石川董(ただし)さん(右)と陽子さん=石川董さん提供
競技成績も輝かしい。董さんは72歳の時、400メートルリレーで優勝するなど、主に短距離で活躍。陽子さんも75歳で400メートルを制するなど短・中距離で活躍したが、近年は砲丸、円盤投げが専門だ。獲得したマスターズのメダルは夫婦で61個にのぼるが、陽子さんは「成績よりも友人との再会が楽しみ」と笑う。
出場を続ける理由には若いころの苦い経験がある。
体の弱かった董さんは幼いころから肺炎や結核を患い、22歳で左肺の3分の1を切除した。かぜで職場も休みがちで、運動とは無縁だった。
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