前半、鹿島の昌子(左から2人目)は浦和の長沢(左端)と競り合いながらボールを保持する=関田航撮影
(5日、鹿島1―0浦和)
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鉄壁の守備が、鹿島に勝利をもたらした。
相手の浦和はJ1最多64得点の攻撃力を誇り、1トップは元鹿島で鹿島を熟知するFW興梠慎三だ。それでも浦和の攻撃をサイドに押しやり、中央にほとんど入れさせない。興梠にパスが通っても、DF昌子源とDF植田直通の日本代表コンビがしっかり固めた。興梠は後輩たちの奮闘に「孤立してしまった」と悔しそうに振り返った。
「やっている選手ですら気付くか気付かないかの細かいところで勝負が決まる」。鹿島の大岩剛監督が試合前に発破をかけたという。わずかなマークのずれも見逃さない。そんな監督の指示に応え、「今まで練習でやってきたことがこの終盤できっちりできた」と23歳の植田がさらりと言えてしまうのが鹿島の強さ。チャンスらしいチャンスを作らせず、浦和のシュートはわずかに3本に抑えきった。
守りが安定すればあとはチャンスをものにするだけだ。後半35分、カウンターからDF西大伍の右サイドからのクロスに、左サイドから駆け上がったMFレアンドロがあわせ、決勝点を奪った。レアンドロだけでなく、FW金崎夢生、FW鈴木優磨がきっちりゴール前に詰めているところも鹿島の隙のなさだ。
最短で、18日に川崎が敗れれば2連覇が決まる。昌子は言う。「川崎が全部勝つと思って、僕たちは目の前の1試合1試合の準備をすればいいだけ」。浮足立つ様子は全くない。(河野正樹)