試験器におさまる加熱式たばこのスティック。この円筒(内径約3センチ)におさまってしまうものはのみ込み、窒息の可能性がある(国民生活センター提供)
「加熱式たばこ」の普及に伴い、国民生活センターは16日、乳幼児の誤飲に注意するよう呼びかけた。これまでの紙巻きたばこより短いものが多く、誤飲しやすいという。
特集:「小さないのち」
加熱式たばこは葉を燃やさず、持ち運べる充電式機器にたばこ葉が入ったスティックやカプセルをセットし、加熱して蒸気を吸う。紙巻きたばこに比べ、においが少ない。
国民生活センターによると、日本たばこ産業(JT)など3社が販売する加熱式たばこ計12銘柄について調査。長さは24~83ミリで、乳幼児がのみ込んだり、窒息したりする危険性を判定する試験器を使って調べたところ、そのうち9銘柄は3歳児未満の子どもが誤飲する恐れがあるサイズだった。JTなどによると、各社の代表的な紙巻きたばこは長さが83~99ミリという。
国民生活センターは、誤飲した時は水などを飲ませずに、すぐに医療機関へ行くよう呼びかけている。業界には、スティックなどが入った外箱の構造について、子どもが取り出しにくいように改善することなどを求めた。
公益財団法人・日本中毒情報センターには2016年中、加熱式たばこに関する問い合わせが419件あり、多くは「子どもが口に入れてしまった」という趣旨の相談だった。(滝沢卓)