妊娠中にたばこを吸い続けた母親から生まれた赤ちゃんは、吸わない女性の子と比較して出生時の体重が平均して100グラム以上少ないことが6日、環境省が公表した調査結果で分かった。分析した山梨大によると、全国の9千人超の子供を対象としており、これだけの大規模全国調査で妊婦の喫煙が出生体重に及ぼす影響を確認したのは国内で初めて。
妊娠中の喫煙は胎児への酸素や栄養の供給を減らし、成長を阻害するとされている。山梨大の山県然太朗教授は「出生体重が少ないと将来的に肥満や心臓病のリスクが高まる。妊娠に気づいたら、早く禁煙するほど子供への影響は小さくなる」と指摘している。
2011年に生まれた男女9369人のデータを解析。経済状況や母親の体重など、関係が示唆される要因を調整した上で出生体重を推定した。
男児では喫煙経験のない母親から生まれた子の体重が約3096グラムだったのに対し、妊娠中も吸い続けた女性の子は約2959グラム。妊娠初期にやめた場合は3068グラムだった。
女児では喫煙経験のない母親の子が約3018グラムに対し、妊娠中も吸い続けた女性の子は約2893グラム。妊娠初期にやめた場合は2978グラムだった。結果は疫学専門誌に近く掲載される。〔共同〕