日本たばこ産業(JT)は6日、2017年の国内のたばこ販売が前年比9.6%減の960億本になりそうだと発表した。1985年の民営化以降、1千億本を割り込むのは初めて。健康志向に伴うたばこ離れや人口減少、煙を出さない新型たばこの普及などにより大きく落ち込む見通しだ。17年12月期は減収減益を見込んでおり、本業のもうけを示す営業利益の予想は前年比5.6%減の5600億円。
海外でのたばこ事業の営業利益が5.2%増、医薬事業がほぼ倍、加工食品事業が2割増とそれぞれ伸びる一方、国内たばこ事業の営業利益は7.0%減の2270億円になる見通しだ。
国内では、電子機器を使う新型たばこの販売を広げる方針だ。昨年3月に福岡市とインターネット経由で販売を始めた、電気で熱した蒸気をたばこの葉にくぐらせて吸う新型たばこ「プルーム・テック」の売れ行きが好調といい、工場の生産能力を上げて、今年6月に東京都内で販売を始める。
同日発表した16年12月期決算の売上高は、前年比4.9%減の2兆1432億円、営業利益は不動産売却益があったことで5.0%増の5933億円だった。(和気真也)