決勝第1戦が行われるサウジアラビア・リヤドで練習する浦和MF阿部=河野正樹撮影
サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦で、2007年以来2度目の優勝を目指す浦和が18日(日本時間19日午前1時15分)、サウジアラビア・リヤドでアルヒラルと対戦する。浦和は16日にリヤド入りし、練習を開始した。10年前の優勝にも貢献した主将のMF阿部勇樹(36)が、決勝への意気込みを語った。
ACL決勝、浦和・阿部が語る「新たな思い出に」
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「もう10年もたっているので、思い出さない」。前回の優勝をこう語る。この年に中学生から所属した千葉から移籍し、浦和では主力として活躍した。ただ「前回の優勝は、出場権を取るのに貢献していない」ことが心に引っかかるという。「今回は自分もリーグ戦に出場して戦い、みんなの力で出場権を勝ち取り、決勝に来た。最後を勝って飾れるなら、忘れられない新たな思い出になる」
2002年から始まったACLで、日本勢の優勝は過去2度ある。07年に浦和、08年にガ大阪が制したが、以来、日本勢は4強止まりが最高で、決勝に進めなかった。阿部は「韓国、中国の2カ国だけではなく、アジア全体のレベルが上がっている」。欧州や南米の世界的なスター選手がアジアのクラブに移籍することも増え、各国の国内リーグのレベルは上がってきた。09年以降は、韓国、中国、豪州、カタールのクラブが優勝している。
浦和の決勝までの道のりは厳しかった。浦和は今季すでにACLで4敗を喫している。決勝トーナメント1回戦の済州戦、準々決勝の川崎戦では初戦を落としながら、第2戦で逆転して勝ち進んできた。それでも、阿部は「勝つべくして勝ってきた」と振り返る。厳しい状況でも悲観的になることはなく、「みんなが持てる力以上を出し、絶対にあきらめずにやってやるんだという思いで勝った」
10年ぶりの優勝へ、クラブ全体で後押しする。敵地での第1戦に向け、浦和は外務省の協力を得ながら在日サウジアラビア大使館と交渉。サウジアラビアは観光目的での入国が難しい国だが、サポーター240人を含む300人余が現地リヤドに入れることになった。一度にサウジアラビアに入国する日本人の数としては最大規模だという。熱狂的なファンの声援をもらえることに、阿部は「浦和に関わる人みんながこのタイトルを取りたいと思っている。勝つと負けるのとでは、天国と地獄。持っているものを全て出して戦わないといけない」。
25日に本拠で第2戦がある。地元ファンらと歓喜の瞬間を分かち合うためにも、まずは初戦にすべてをぶつける。(河野正樹)