ランニングするW杯審判員の山内宏志副審=2018年6月12日、モスクワ、長島一浩撮影
14日に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会に6大会連続で日本の審判員が選ばれている。当初は2人の選出だったが、八百長に絡んだ他国の主審が外れ、代わりの1人で追加された。主審、副審2人の「トリオ」を日本人で組めることになり、試合を裁く可能性が高まっている。
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3人は、初選出の佐藤隆治主審(41)と3大会連続の相楽亨副審(41)、そして追加で初選出された山内宏志副審(39)だ。
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前回ブラジル大会では、開幕戦を相楽副審や主審の西村雄一氏(46)ら日本の3人が担当するなど、同じ国・地域出身のトリオが各試合を裁いた。今大会も、同じ国のトリオに任せるのが基本といわれる。
国際サッカー連盟(FIFA)が3月に発表した審判団には佐藤主審と相楽副審だけだった。日本の関係者の間では、3人を補助する「第4の審判員」や副審の予備要員を務めるだけに終わるのでは、という見方が広がっていた。
だが、サウジアラビアの主審が国内の試合で八百長に関与したとして同国サッカー連盟から永久追放に。FIFAは5月30日に、その主審と同国の副審2人を外し、山内副審とアラブ首長国連邦の副審の2人を追加で招集すると発表した。
開幕を2日後に控えた今月12日、現地モスクワで審判団のトレーニングが報道陣に公開され、日本勢では山内副審が走り込みなどで約1時間半汗を流した。思わぬチャンスが巡ってきた山内副審は、「3人でいい準備をし、日本の代表として、いいパフォーマンスができるようにしたい」。(潮智史=モスクワ、勝見壮史)