専用のアプリをダウンロードしたタブレットなどで電子書籍を読む利用者たち=徳島市幸町3丁目
全ての蔵書が電子書籍という私設図書館「みる会図書館徳島館」が27日、徳島市にオープンする。専用アプリが入ったスマートフォンやタブレット端末で自由に閲覧できる。自らこのアプリを開発した佐野誠一代表(34)は「書庫のスペースは不要で、本の傷みや紛失の心配もない。電子図書館には大きな可能性がある」と話す。
徳島市中心部のオフィスビル2階。自営業者らが使う約400平方メートルのコワーキングスペースの一角にある約6平方メートルが「図書館」だ。閲覧席は長机の8席。備え付けのタブレット端末にアプリが入っており、無線LANを経由してサーバー内の電子書籍を閲覧できる。複数の端末で同じ書籍を同時に読むことができ、「貸し出し中」に悩まされることもない。また、手持ちのスマートフォンなどにアプリを入れて閲覧することもできる。
現在の蔵書は漢詩やコンピュータープログラムの入門書など90冊。フランツ・カフカの「変身」などの小説もある。いずれも佐野さんが自分の本を1ページずつスキャナーで読み取って電子化した。10月下旬にプレオープンし、今月27日のグランドオープン時には100冊に増やす予定という。
利用は館内での閲覧に限る。館外にデータを持ち出す「貸し出し」は、著作権料の支払いなどが必要になるためだ。私設図書館の設立に認可制度はないが、図書館法に基づいた施設にするために、運営を担う社団法人を立ち上げた。
かつてLEDで知られる日亜化…