ミサイル発射を想定した訓練で、避難した児童たち=1日午前10時6分、福岡市中央区の舞鶴小学校、堀英治撮影
福岡市は1日午前、北朝鮮の弾道ミサイルが上空を通過すると想定し、市内全域の携帯電話に緊急速報メールを配信する訓練を実施した。市内の公園と小学校の2カ所では避難訓練があったほか、走行中の市営地下鉄が最寄りの駅まで進んでしばらく停止した。
国によると、国と自治体共催のミサイル想定訓練は24回目だが、指定市、大都市圏では初めてという。
全国瞬時警報システム(Jアラート)で国からミサイル発射情報が届いたと想定。午前10時に携帯電話の警報チャイムが一斉に「チロリロリーン」と鳴り、「政府からの発表 ミサイル発射の模様。建物の中か地下に避難を」とのメールが送られた。5分後には「九州から太平洋へ通過」とのメールが来た。
福岡市中央区の天神中央公園では周辺の会社員ら約50人が訓練に参加。携帯が鳴ると、地下街や、地下につながる公園内の階段に小走りで向かい、地下道の壁の両側で一列になって、頭を抱えてかがみ込んだ。
同区の舞鶴小学校でも児童ら約600人が参加。授業を中断して教室の窓から離れ、ミサイル通過情報が校内放送で流れるまでの5分間、手で頭を抱えて床にうずくまるなどした。
福岡市は事前に、地下鉄の駅などに訓練実施のポスターを大量に掲示し、周知していた。地下鉄赤坂駅で列車を待っていた会社員(44)は、訓練で列車に遅れが出ると思い、いつもより早めに家を出たという。「みんな落ち着いていて何ごともない感じだった。こんなものなのかなと思った」と少し拍子抜けした表情で話していた。